カエル谷へお客様

5月13日(水)うす曇り

今日は、うれしいうれしい1日でした。
と言うのは、県の農業総合試験場の研究員の方々が「田んぼのカエルの保護の研究」のため、カエル谷を訪ねて下さったのです。
現場を観て頂きながら、カエルたちの置かれている現状(特に圃場整備された田んぼ)などについて、3時間半ほどお話しが出来たのです。
私からも、圃場整備された田んぼの問題点と、カエル復活のための方策(案)を説明させて頂きました。
トンボ屋さんたちが感じてられるように、カエルが世代交代出来る田んぼは、トンボも安心して世代交代出来る田んぼなのです。
そして、カエルもトンボも、かつては益虫として、農家は大事にし、子どもたちは学校でも教わったのです。
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▲ カエルを撮ろうとしている研究員の手に停まるシオヤトンボ。 トンボも歓迎の気持ちを込めているのでしょう。
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▲ お二人の研究員です。

日本のコメ作りを取り巻く環境は、近年、ますます厳しくなっています。
そう言う中で、農業の専門の方々から、コメを作るだけでなく、生きものにも配慮したコメ作りの研究をして頂けることに、感謝と喜びを感じました。
向こう3年計画で、形あるものにとのことでしたので、法人を含む農家の方々が、自分たちのコメ作りに合ったメニューを選択し実践出来るよう、複数メニューの提示をお願いさせて頂きました。
今後も、出来るだけ、ご協力させて頂こうと思います。

トンボとコメ作りの関係に関しては、石川県立大学の田哲行先生のアキアカネの研究が知られていて、他にも何人かの方々が調査、研究をされ、実験などもされています。
それらによれば、①育苗期に使われているフィプロニルと言う農薬の影響が大きい。
他には、②品種の多様化により、アキアカネの生活史とコメ作りの農事暦にズレが出ている。
などがアキアカネ減少の大きな要因であることが報告され、既知のこととして関係者の間で認識されつつあります。
①については、私自身、旧作手村の調査で確認しています。
その他に、私自身、危機感を持っているのが、③コメ作りを毎年続けてない田んぼの増加です。
例えば、本来ならヤゴが育つ時期に水がなく、コメに代わって、小麦などが栽培されていたり、何も植えてなかったりすることです。
そして、それらの田んぼの中には、前年の秋、アキアカネが産卵しているところがあると言う事実です。
アキアカネにとって来春田んぼに水が入らないとの予測は出来ません。結果、無駄な産卵になっているのです。

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▲ 手前だけが田植えの準備中で、奥は全て小麦が栽培されていました。 (2015.5.5 畝部地区)
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▲ 昨秋、アキアカネやコノシメトンボが産卵していた田んぼでしたが、水が入っていません。 (2015.5.8 西田地区)
アキアカネの卵が孵化してヤゴになり、無事羽化してトンボになるには、4月中頃には田んぼに水が入り、
羽化が終わる6月下旬頃までは、田んぼに水が入っていることが重要なのですが…。
ちなみに、アキアカネの卵は乾燥に強いため、冬場、田んぼに水がなくとも問題はありません。

カエルの場合、種により、産卵の時期は異なりますが、昔から田んぼと共に生きて来たアマガエルやトノサマガエルなどは
ほぼ、アキアカネと同じ期間に田んぼに水があることが、世代交代をして行くための必要条件になります。

農業の効率化からすれば、一面、小麦なら小麦を栽培するのが理に適っているのかも知れませんが、モザイク状にするなど、隣合う田んぼではコメ以外は作らないなどの仕組みの開発が待たれます。
なお、カエルの場合、圃場整備後の田んぼでは、農道を通り抜ける車などによる交通事故死も無視できません。

追記
6月4日の畝部地区の写真を追加します。
この時期に、昨年田んぼだった所に水が入ってないのですから、アキアカネなどアカネ属のヤゴにも、アマガエルやトノサマガエル(地域によってはダルマガエル)、ヌマガエルなどのカエルたちは、産卵して世代交代が出来ませんから、この付近から絶えて行くしかありません。
農業関係者も含めた、なつかしい生きものたちを絶やさないコメ作りへの知恵と実践が待たれます。
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by tombo-crazy | 2015-05-13 22:00 | トンボの棲む環境 | Comments(0)
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