赤とんぼ調査 (市街地周辺の田んぼ)

   2016年10月18日、11月3日

  先日の旭地区(中山間地)の赤とんぼ調査に続き、市街地周辺の田んぼを観て回りました。
  ここで取りあげた田んぼは、圃場整備がされ、そのほとんどが農業法人によりコメづくりが行われています。
  確認の時間は9時半頃から12時半頃です。
  ちなみに標高は10~60mほどです。

  
 その① 旧高岡町 (10月18日)

  堤本町・山畑
a0122264_16422331.jpg
↑ 稲刈り後も、アキアカネの産卵に合わせた水管理をして頂いていますが…。
奥に見えるのは、トヨタ自動車の高岡工場です。
a0122264_16490220.jpg
↑ 二番穂が育った田んぼです。
北側には猿投山(628.9m)が見えます。
a0122264_16493181.jpg
↑ 今回確認した田んぼは、いずれも農業法人が有機農法でコメづくりをしています。
a0122264_17012584.jpg

↑ 初めてアキアカネの産卵が1ペアだけでしたが確認出来ました。
a0122264_17231653.jpg
↑ 田んぼの隅にいたアキアカネの♀です。

これまでの2年間、アキアカネの羽化や産卵が確認出来ていませんでしたが、
この秋から、稲刈り後も水を少し入れるアキアカネの産卵に合わせた水管理をしたのが効いたのか、
初めてアキアカネの産卵が1ペア確認出来ました。
アキアカネの個体数が少ない地域ですが、来年以降に期待したいと思います。




  堤本町・落田地区 (10月18日)
a0122264_15191422.jpg
 ↑ 山畑地区と同じ農業法人がコメづくりをしている田んぼです。
アキアカネが2頭いましたが、産卵は確認出来ませんでした。
奥に物流拠点としての倉庫などが見えますが、かつては田んぼでした。





 
  竹町・上沖地区 (10月18日)
a0122264_15373738.jpg
a0122264_15384551.jpg
a0122264_15355670.jpg
↑ 通称:竹村の谷間下(やげんした)と言う地区で、逢妻男川を挟むように田んぼがあります。
農業法人がコメづくりをしています。
2年前まで、毎年アキアカネやコノシメトンボが産卵し、羽化も確認された田んぼが1枚ありましたが、
ブロックローテーションで、昨年は小麦が栽培され、結果、今年は羽化も産卵もありませんでした。
一番下の写真の山のようになっている所は台地の端で、
トヨタ自動車の社長をされていた故豊田英二さんの屋敷があります。
a0122264_16101201.jpg
↑ ただ1頭いたアキアカネです。



   本町・共和地区 (10月18日)

a0122264_16225527.jpg
↑ 通称一本木と言われる地区の田んぼです。
農業法人がコメづくりをしています。
残念ですが、赤とんぼの姿はありませんでした。
奥に見える山は松平地区の焙烙山(683.5m)と六所山(611m)などです。
a0122264_16250012.jpg
↑ 日本人のコメの消費量の減少、コメ余り、米価の低迷、TPPなど、
コメづくりを取り巻く環境は厳しくなっているせいか、
転作ではなく、イチジクの栽培など、田んぼを畑地としての活用も目立つようになりました。
a0122264_16262033.jpg
↑ 国から補助金が出るため、(自治体からも出ることあり)
コスモスを植えている田んぼも目立つようになりました。
見て楽しむだけの陰で、アキアカネなどの産卵場所が消えていることを知って頂けたらと思います。
昔のようにレンゲにして、毎年コメづくりを続けるのであれば、赤とんぼたちの命はつながるのですが、
市街地周辺の田んぼにあっては、出来ない時代になっているようです。




   住吉町・八百山地区(竹村小学校北) (10月18日)

a0122264_16423474.jpg
a0122264_16430817.jpg
↑ 竹村小学校北の田んぼです。
農業法人がコメづくりをしています。
一昨年までは、アキアカネの羽化や産卵が確認されていましたが、
昨年はブロックローテーションで小麦が植えられていた関係で、周囲にも赤とんぼの姿はありませんでした。



  大林町 上畔 (11月3日

a0122264_17580031.jpg
↑ 県道12号線(豊田一色線)の高架下東にある田んぼです。
農業法人がコメづくりをしています。
背中側には東名高速道路があります。
農業法人がコメづくりをしていますが、ブロックローテーションの影響で
赤とんぼの姿はありませんでした。




   西田町・ 大畔 11月3日
a0122264_18094830.jpg
↑ 東名高速上郷SA西600mほどにある田んぼです。
農業法人がコメづくりをしていますが、ブロックローテーションの影響で
赤とんぼの姿はありませんでした。




 その② 旧上郷町 11月3日


   広美町・小総、長総、 福受町・福広
a0122264_18205089.jpg
↑ 広美町(手前)と福受町(奥)の田んぼです。
農業法人がコメづくりをしていますが、ブロックローテーションの影響で
赤とんぼの姿はありませんでした。

a0122264_18213066.jpg
↑ 一部は2年3作体系(水稲-麦-大豆)になっていました。
これですと、田んぼでコメを作らない期間が2年間におよびますので、
トンボやカエルなどの水辺を必要とする生きものたちには、
隣接する小川などの避難場所がない場合、種の存続が出来なくなります。




桝塚西町・宮前、元屋敷 (11月3日)
a0122264_18560152.jpg
a0122264_18580361.jpg
↑ 昨年は一面の小麦畑になっていましたが、今年は大豆畑になっていた、かつての田んぼです。
農業法人が2年3作体系(水稲-麦-大豆)の輪作をしています。
毎年コメづくりをしてないため、付近に赤とんぼの姿はありませんでした。





  市街地周辺の田んぼの まとめ

  ① 市街地周辺の田んぼのほとんどは、農業法人がコメづくりをしています。
  ② ただ、ブロックローテーションなど、毎年コメづくりをしてないことが多く、
    田んぼと共に生きて来たアキアカネを始めとする赤とんぼたちにとって、
    命をつなぐことが難しくなっています。
  ③ ただ、コメづくりを取り巻く環境は厳しくなっていますから、
    毎年コメを作ることは経営的にも困難と思われます。
  ④ 割合は少ないものの、有機農法などで毎年コメづくりをやろうとしている田んぼが確認出来たのは、僅かな希望でした。
  ⑤ 市街地周辺の田んぼの赤とんぼは、今後増えることはなく、年々減少すると思われます。
  ⑥ 今回の調査でも、アキアカネなどの赤とんぼは、探し回って、やっと見つける状態でした。
  ⑦ 赤とんぼを増やそうとした場合、農業法人や農家を支援する体制や仕組みが必要に感じました。
  ⑧ とりあえず誰でも出来ることとしては、ご飯を食べて、米価の下落を防ぐことでしょうか。

  トンボ好きのみなさん、よろしくお願いしますね。





  

by tombo-crazy | 2016-11-05 20:37 | トンボの棲む環境 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< キトンボを探す 赤とんぼ調査 (郊外の田んぼ) >>