越冬トンボは 今がチャンス

   2016年10月7日~11月15日


 越冬トンボとの出会い

   トンボが成虫で越冬することを、長い間知らないでいました。
   最初に出会ったのは、28歳のときの雪がちらちら舞う日でした。
   今は廃線になった三河広瀬駅から、東海自然歩道を足助へ向かって歩き始めて間もなく、
   何となく目をやった木の枝先に停まっていました。
   2度目は、今から20年ほど前の雪の元日です。
   友人を誘って、当時は市内で一番高い焙烙山(683.5m)に登り、頂上で休んでいるとき、
   目線の高さの木の枝に、雪を被って停まっていました。
   因みに焙烙山の山頂から越冬トンボの繁殖地までは直線で1400m、標高差で220mほどあります。
   どちらも偶然見つけたもので、生き残りだろうと思っていたのですが、
   帰宅してから調べると、日本には3種類の越冬するトンボがいることが判りました。

   最初と、2番目に出会ったトンボが、何トンボかは判りません。
   その後、トンボを観るようになってからの判断では、その停まり方から、
   オツネントンボ、または、ホソミオツネントンボだったと思われます。


 秋からの越冬トンボとの出会い いろいろ

   黒い赤トンボを探すため、地形図とコンパスを持って各地を歩いています。
   時々、友人も一緒に歩くことがあります。
   黒い赤トンボは、今年の春、期待出来そうと思っていた山の中のO湿地に
   秋以降7回通い、♂に一度だけ出会えましたが、発生頻度から飛来と思われます。

   それ以外にも、山の中のいろんな水辺を、地図とコンパスで歩きまわっていますので、
   いろんな所で越冬トンボと出会うことが出来ましたので、まとめて、ご報告します。

   今の時期は気温が10℃以上ありますから、近くを通るとき舞い上がりますので、
   それを目で追うと、近くに停まってくれますから、ゆっくり観察出来ます。
   なお、注意点ですが、猟期に入っていますので、狩猟が出来るエリアへは
   立ち入らないのが賢明です。(猟犬がうろうろしています。)


 ・10月7日

  その① 黒いトンボがいた標高190mほど山中にあるO湿地近くの林の中で見つけました。
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↑ ホソミイトトンボ♂です。
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↑ 生息環境です。(越冬地と思われます。)
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↑ 山の中にあるO湿地です。


  その② 標高450mほどの尾根上にある湿地が隣接するI池です。
    羽化間もないホソミイトトンボ♂に出会いました。 
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↑ 足元からファファと飛び出したテネラルなホソミイトトンボ♂です。


  ・10月14日

    上記I池で、羽化を見ました。10月半ばの羽化は初めてのことでした。
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↑ ホソミオツネントンボと思われる羽化です。

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↑ オツネントンボ♀です。
池と湿地の境にいました。
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  ・10月20日 愛知県昭和の森の標高160mほどの尾根です。
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↑ ホソミイトトンボ♂です。
3頭出会いましたが、1頭は見失いました。
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↑ 生息環境です。(越冬地と思われます。)

   直線で350mほどの水辺には、毎年たくさんのホソミイトトンボの産卵があります。


  ・10月21日 田んぼにも越冬トンボがいました。

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↑ 二番穂に停まっていたオツネントンボ♀です。
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↑ オツネントンボがいた田んぼです。
田んぼの中を歩いていると数頭舞い上がりましたが見失いました。
越冬地は隣接する林の中と思われます。



  ・10月22日 先日行った昭和の森の尾根へ再度行きました。

    目的は、地図とコンパスを使った道のない山歩きをマスターしたいとの
    モンさん(トンボ狂会メンバー)のトレーニングです。
    今日は、初日です。
    この冬の間に、何度か実際の山へ入り、マスターして頂く予定です。


  (背景)
    中高年の山歩きにプラスし、最近は山ガールと言われる若い女性も増えています。
    自然の中を歩くことそれ自体は、健康的で良いことと思いますが、
    登山人口の増加に伴い、遭難も増えていることは悲しいことです。
    遭難と言うと、雪山や岩場などでの滑落などを思い浮かべる人が多いですが、
    日本における遭難の7割ほどは道迷いによる遭難です。
    大半の登山者は、地図やコンパスが使えません。
    グループの場合は、リーダーについて行く金魚の糞のような人が大半です。
    せめてリーダーに地形を読む力があればいいのですが、怪しい人も多いです。
    故に、現在地が判らなくなり、危険が潜む沢に下りてしまったりして、
    予定時間内に下山できず、山中でビバーク(野宿)をしたり、
    男性に多いパターンですが、何とか下山しようと頑張ってしまい、
    結果、滑落したり、疲労凍死したりすることもあります。
    私はかつて、悲しい事故につながる山での「道迷い」をなくすために、
    カルチャーセンターなどで、地形図とコンパスを使った、迷わない山歩き

    の講師をしてました。

    と言うことで、モンさんには、いろはから学んで頂くことにしました。
    等高線や磁北線のこと、コンパスの機能などは事前学習してもらっています。
    車から降りて、最初にして頂いたことは、「現在地の確認」です。

    次に「正置(せいち)」をして頂き、行きたい方向を確認し、
    行きたい所までの距離と高低差を地形図で確認して、スタートして頂きました。

    私は、少し後をついて行きます。   …以下省略


    地形図とコンパスを使って、野山を歩けるようにしておけば、
    トンボ屋さんにとっても観察エリアが広がり、
    観たいトンボに出会うチャンスが増えますので、ぜひ、マスターください。


    前置きが長くなりましたが、

    尾根上のピークを目指して歩いていたら、
    目の前を、ふわ~っとトンボが横切りました。

    2人の目はトンボを追います。

    停まったところで、静かに近づきます。
    と言うことで、現在地を確認してから、越冬トンボの観察をして頂きました。

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↑ 若いホソミイトトンボの♀たちです。
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↑ オツネントンボの♀もいました。

なお、下の写真のトンボは、腹部を何度か曲げる不思議な動きをしていました。
文献などでは、クリーニング行動と説明している場合がありますが、
下の写真でも判るように、翅と腹部を擦り合わていませんでした。
逆に反らせた場合は、翅と擦れますからクリーニング行動とも言えますが、
今回のような場合は、ストレッチのようなものかも知れません。
詳しい方のコメントをお待ちしています。
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 ↑ 生息環境です。
ここの尾根の場合、毎年越冬トンボを確認しています。

    
    

  ・10月26日 赤とんぼ調査で、先日の田んぼに再度行きました。
    目指す赤とんぼはあまりいませんでしたが、二番穂の中を歩いていると
    ふあ~っと舞い上がるトンボがいます。
    目で追うと、オツネントンボでした。

    この時期の越冬トンボたちは、あまり遠くに飛んで行きませんから
    見失わなければ、ゆっくり観ることが出来ます。

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↑ オツネントンボの若い♂たちです。

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↑ オツネントンボがいた田んぼです。



  ・11月4日 トンボ狂会の友人たちと、この秋見つけた山の中の池に行きました。
    標高450mほどの尾根上にある湿地が隣接するI池なので、ちょっとした山歩きが楽しめます。
    メンバーはコンパスクラブ会員ですから、道のない山でも迷うことなく目的地へ辿りつけます。

    池と湿地の境付近で3頭のオツネントンボに出会うことが出来ました。

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↑ オツネントンボたちです。 (上から♀、♂、♂)
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↑ 生息環境です。
越冬は、池の周囲の林の中と思われますが、猟期が明けないと立ち入りは危険です。

  おまけ
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↑ ウメバチソウの花の蜜を吸うオオハナアブです。
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↑ ヘビノボラズは、葉も実も赤くなっていました。
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↑ イワショウブも白い花から赤い実になっていました。



  ・11月5日 キトンボの産卵確認で、山の中の池へ向かうとき、
   目の前をふわぁ~っと横切り、近くの笹に停まるトンボがいました。
   ホソミオツネントンボの♂でした。
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いろんな角度から観察をしていると、同じ笹に他にも2頭のホソミオツネントンボがいることが判りました。
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↑ ホソミオツネントンボの♂です。
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↑ ホソミオツネントンボの♀です。
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↑ ホソミオツネントンボがいた環境です。
越冬もこの林の中ですると思われます。
木漏れ日があり、風があまり吹き込まない環境でした。



  ・11月11日、12日、13日、15日
   これらの日にも、キトンボの産卵を確認しようと山の中の池へ向かう途中で、
   先回ホソミオツネントンボを見かけた辺りで、
   ホソミオツネントンボの♀各1に出会うことが出来ました。
   この辺りで越冬する可能性が高いので、1~2月に確認に来たいと思います。

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↑ ホソミオツネントンボの♀です。
 多分同じ個体と思われます。

   

  まとめ

   ① 10月7日~11月15日の間に、26頭の越冬トンボに出会うことが出来ました。
     但し、この中には同じ個体が含まれていると思われます。
   ② 内訳は次の通りです。
       ホソミイトトンボ    ♂4 ♀3
       ホソミオツネントンボ  ♂2 ♀6
       オツネントンボ     ♂6 ♀5
   ③ 昭和の森の尾根筋では3種の越冬トンボが確認できた。
   ④ トンボを確認した所は、本来の越冬地ではなく水辺近くのものもあった。
   ⑤ 日中の気温が10℃以上ある今のうちは、
     越冬トンボたちは近づくとふわぁ~っと舞いあがり再び近くに停まるので、
     越冬トンボを見つけやすいことが判りました。



  提案 (冬の楽しみ)
    と、言うことで、本格的冬になる前に、ちょっとした低山に入り、
    越冬トンボを見つけたらいいと思います。
    そして本格的冬になったら、雪のある日とか、風がなく、天気の良い日に
    日だまりハイクを兼ねて、越冬トンボを観て回るのも、トンボ屋の冬の楽しみになります。
    勿論その頃は、越冬トンボたちは動くことはほとんどありません。
    今の時期に、越冬しそうな所を見つけておくことで、発見しやすいです。
    山用のコンロを持って行き、ラーメンやコーヒーを楽しむのもいいと思います。
    雑木林の中は、冬でも意外と暖かいです。



   


     
     
   

by tombo-crazy | 2016-11-16 22:58 | トンボ見て歩記 | Comments(1)
Commented by Nature_Oyaji at 2017-02-06 12:53
はじめまして。
モンさんのページから伺いました。(オヤヂのご近所仲間日記です)
10/14羽化の個体はホソミイトトンボですね。
複眼の模様が横縞なのがホソミイトトンボで、縦はホソミオツネントンボです。
それにしても10月中旬とは驚きです。
また訪問させて頂きます。
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