キトンボを探す

   2016年11月5日(土)、6日(日)晴れ 気温19~23℃(9:30~13:00)

  10月始めからの赤とんぼ調査で各地を回っているとき、
  池の近くなどで、飛来と思われる単独のキトンボを見てました。
  キトンボは、カエル谷でも見たことがありますが、加茂地方では稀にしか見れないトンボです。
  ところが、今シーズンは飛来が多いのか、あるいは、近くに生息地があるかも知れないと、
  目撃地点を地図にプロットし、産卵に来そうな池を確認して回りました。
  結果、二つの池で1~3頭の姿を見ましたが、写真は撮れずにいました。


 本命の池か (11月5日)

  昨日、可能性の高い山の中の池に入り、4~5頭のキトンボと思われる姿を確認し写真に撮ることが出来ました。
  今シーズン、キトンボを目撃した地点は、この池を中心に半径5Km以内に5ヶ所あったことが判りました。
  ただ、今回観れたキトンボは、これまで岐阜の二つの産地で観ていた個体と比べ、
  腹部がきれいな赤色で、ネキトンボとの交雑種の可能性もあります。

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↑ キトンボ? 個体A
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↑ キトンボ? 個体B
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↑ キトンボ? 個体C 
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↑ キトンボ? 個体D
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↑ キトンボのいた山の中の池。とても透明度の高い池です。

2時間半ほど待ちましたが、ネキトンボやコノシメトンボの産卵はあったものの、
キトンボの産卵は確認出来ませんでした。 


 

 もう一つの可能性の高い池  (11月6日)

  同じように透明度の高い、山の中の別の池に行って来ました。
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↑ 今日、訪れた池です。 10月に来たのは初めてです。
9月の長雨が効いたのか、いつもより水位が30cmほど高くなっていました。

風が強かったせいか、トンボたちの産卵はほとんどなく、
キトンボの姿もありませんでした。
風の当たらない日だまりでは、リスアカネなどのトンボが休んでいました。
加茂地方の中では、リスアカネの数が多いように感じました。
来シーズンが楽しみです。

   なお、今日行った池も、風のない天気の良い日に、再度行く予定です。
   それと、もう一つ、気がかりな山の中の池にも行く予定です。



  おまけ

   11月5日に行った池の近くで見つけたホソミオツネントンボです。
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↑ 最初に見つけたホソミオツネントンボの♀です。
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↑ 次に見つけたホソミオツネントンボの♂です。
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↑ 最後に見つけたホソミオツネントンボの♂です。
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↑ この笹の中に結局3頭のホソミオツネントンボがいました。
びっくりぽんでした。

   






# by tombo-crazy | 2016-11-06 21:49 | トンボの棲む環境 | Comments(0)

赤とんぼ調査 (市街地周辺の田んぼ)

   2016年10月18日、11月3日

  先日の旭地区(中山間地)の赤とんぼ調査に続き、市街地周辺の田んぼを観て回りました。
  ここで取りあげた田んぼは、圃場整備がされ、そのほとんどが農業法人によりコメづくりが行われています。
  確認の時間は9時半頃から12時半頃です。
  ちなみに標高は10~60mほどです。

  
 その① 旧高岡町 (10月18日)

  堤本町・山畑
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↑ 稲刈り後も、アキアカネの産卵に合わせた水管理をして頂いていますが…。
奥に見えるのは、トヨタ自動車の高岡工場です。
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↑ 二番穂が育った田んぼです。
北側には猿投山(628.9m)が見えます。
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↑ 今回確認した田んぼは、いずれも農業法人が有機農法でコメづくりをしています。
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↑ 初めてアキアカネの産卵が1ペアだけでしたが確認出来ました。
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↑ 田んぼの隅にいたアキアカネの♀です。

これまでの2年間、アキアカネの羽化や産卵が確認出来ていませんでしたが、
この秋から、稲刈り後も水を少し入れるアキアカネの産卵に合わせた水管理をしたのが効いたのか、
初めてアキアカネの産卵が1ペア確認出来ました。
アキアカネの個体数が少ない地域ですが、来年以降に期待したいと思います。




  堤本町・落田地区 (10月18日)
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 ↑ 山畑地区と同じ農業法人がコメづくりをしている田んぼです。
アキアカネが2頭いましたが、産卵は確認出来ませんでした。
奥に物流拠点としての倉庫などが見えますが、かつては田んぼでした。





 
  竹町・上沖地区 (10月18日)
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↑ 通称:竹村の谷間下(やげんした)と言う地区で、逢妻男川を挟むように田んぼがあります。
農業法人がコメづくりをしています。
2年前まで、毎年アキアカネやコノシメトンボが産卵し、羽化も確認された田んぼが1枚ありましたが、
ブロックローテーションで、昨年は小麦が栽培され、結果、今年は羽化も産卵もありませんでした。
一番下の写真の山のようになっている所は台地の端で、
トヨタ自動車の社長をされていた故豊田英二さんの屋敷があります。
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↑ ただ1頭いたアキアカネです。



   本町・共和地区 (10月18日)

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↑ 通称一本木と言われる地区の田んぼです。
農業法人がコメづくりをしています。
残念ですが、赤とんぼの姿はありませんでした。
奥に見える山は松平地区の焙烙山(683.5m)と六所山(611m)などです。
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↑ 日本人のコメの消費量の減少、コメ余り、米価の低迷、TPPなど、
コメづくりを取り巻く環境は厳しくなっているせいか、
転作ではなく、イチジクの栽培など、田んぼを畑地としての活用も目立つようになりました。
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↑ 国から補助金が出るため、(自治体からも出ることあり)
コスモスを植えている田んぼも目立つようになりました。
見て楽しむだけの陰で、アキアカネなどの産卵場所が消えていることを知って頂けたらと思います。
昔のようにレンゲにして、毎年コメづくりを続けるのであれば、赤とんぼたちの命はつながるのですが、
市街地周辺の田んぼにあっては、出来ない時代になっているようです。




   住吉町・八百山地区(竹村小学校北) (10月18日)

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↑ 竹村小学校北の田んぼです。
農業法人がコメづくりをしています。
一昨年までは、アキアカネの羽化や産卵が確認されていましたが、
昨年はブロックローテーションで小麦が植えられていた関係で、周囲にも赤とんぼの姿はありませんでした。



  大林町 上畔 (11月3日

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↑ 県道12号線(豊田一色線)の高架下東にある田んぼです。
農業法人がコメづくりをしています。
背中側には東名高速道路があります。
農業法人がコメづくりをしていますが、ブロックローテーションの影響で
赤とんぼの姿はありませんでした。




   西田町・ 大畔 11月3日
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↑ 東名高速上郷SA西600mほどにある田んぼです。
農業法人がコメづくりをしていますが、ブロックローテーションの影響で
赤とんぼの姿はありませんでした。




 その② 旧上郷町 11月3日


   広美町・小総、長総、 福受町・福広
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↑ 広美町(手前)と福受町(奥)の田んぼです。
農業法人がコメづくりをしていますが、ブロックローテーションの影響で
赤とんぼの姿はありませんでした。

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↑ 一部は2年3作体系(水稲-麦-大豆)になっていました。
これですと、田んぼでコメを作らない期間が2年間におよびますので、
トンボやカエルなどの水辺を必要とする生きものたちには、
隣接する小川などの避難場所がない場合、種の存続が出来なくなります。




桝塚西町・宮前、元屋敷 (11月3日)
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↑ 昨年は一面の小麦畑になっていましたが、今年は大豆畑になっていた、かつての田んぼです。
農業法人が2年3作体系(水稲-麦-大豆)の輪作をしています。
毎年コメづくりをしてないため、付近に赤とんぼの姿はありませんでした。





  市街地周辺の田んぼの まとめ

  ① 市街地周辺の田んぼのほとんどは、農業法人がコメづくりをしています。
  ② ただ、ブロックローテーションなど、毎年コメづくりをしてないことが多く、
    田んぼと共に生きて来たアキアカネを始めとする赤とんぼたちにとって、
    命をつなぐことが難しくなっています。
  ③ ただ、コメづくりを取り巻く環境は厳しくなっていますから、
    毎年コメを作ることは経営的にも困難と思われます。
  ④ 割合は少ないものの、有機農法などで毎年コメづくりをやろうとしている田んぼが確認出来たのは、僅かな希望でした。
  ⑤ 市街地周辺の田んぼの赤とんぼは、今後増えることはなく、年々減少すると思われます。
  ⑥ 今回の調査でも、アキアカネなどの赤とんぼは、探し回って、やっと見つける状態でした。
  ⑦ 赤とんぼを増やそうとした場合、農業法人や農家を支援する体制や仕組みが必要に感じました。
  ⑧ とりあえず誰でも出来ることとしては、ご飯を食べて、米価の下落を防ぐことでしょうか。

  トンボ好きのみなさん、よろしくお願いしますね。





  

# by tombo-crazy | 2016-11-05 20:37 | トンボの棲む環境 | Comments(0)

赤とんぼ調査 (郊外の田んぼ)

   2016年10月6日、21日、23日

   毎年、アキアカネをはじめ数種類の赤とんぼが確認されている郊外の田んぼの確認結果です。
   これらの田んぼは、何代にも渡ってコメづくりをして来た田んぼですが、
   昭和40年代以降は兼業農家になり、数人の方がコメづくりをしています。
   田んぼは雑木林に囲まれた丘陵地にあり、ため池から昔ながらの小川を経由し導水されています。
   標高は115mほど。
   確認時間は10時~13時です。


  八草町・小江戸  (10月21日)
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↑ このところの雨で田んぼの所々には水たまりがありました。
ただ、昨年までコメづくりをしていた田んぼの一部は休耕田になっていました。
(近くの田んぼの地主さんの話では、来年はコメづくりを再開するとのことでした。)
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↑ 気温が23~24℃と低かったですが、10数ペアの産卵を確認しました。

他にも以下のような赤とんぼがいました。
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↑ ノシメトンボ♂です。
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↑ ノシメトンボ♀の腹部挙上姿勢です。

 腹部挙上姿勢で
 太陽の照射面積を少なくし、体温が上がり過ぎるのを防止するためとの説を
 見かけますが、それよりも自分の存在を誇示する行動のように思います。
事実、この日の気温は23~24℃と肌寒く感じました。
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↑ マイコアカネ♂です。
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↑ マユタテアカネのノシメ型♀です。
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↑ マユタテアカネの♂です。
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↑ ヒメアカネの♂です。




  八草町・秋合  (10月6日、23日)

   市内で最も赤とんぼの種類が多く確認されている田んぼです。
   地主さんは一人で、息子さんたちも手伝っての兼業のコメづくりです。
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(10月6日)

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(10月23日)
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(10月23日)
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↑ 最近はほとんど見ることがなくなった稲架掛けのある田んぼです。(10月23日)
田んぼは、所々に水が溜まっていて、アキアカネなどの産卵適地となっています。

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↑ アキアカネの連結産卵が多数確認出来ました。


他にも以下のような赤とんぼがいました。

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↑ マイコアカネ♀です。
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↑ マイコアカネ♂です。
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↑ ヒメアカネ♂です。

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↑ ノシメトンボです。
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↑ コノシメトンボです。

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↑ ネキトンボです。


   まとめ

   ① 小川からの導水、周囲に雑木林があるなどの立地条件と、減農薬と、
     アキアカネに合った水管理をすることにより、市街地に近い所でも
     赤とんぼと共生出来るコメづくりが出来ることを証明してくれました。
   ② このような立地条件は、郊外にある程度あるので、
     今回の田んぼのコメづくりを農家さんや、JAさんの協力を得て、
     展開して行くことが大切に思いました。
   ③ このような田んぼのお米は、例えば「赤とんぼ米」などのブランド化をして
    買い上げ価格をアップし、 農家にとってもうれしい仕組みが待たれます。






# by tombo-crazy | 2016-10-27 21:42 | トンボの棲む環境 | Comments(0)

ノシメトンボの産卵を見に

   2016年10月16日(日)晴れ 気温27℃(11:15)

   かつて加茂地方の山間部にはノシメトンボが多数いましたが、8年ほど前から、ほとんど見かけなくなり、
   ノシメトンボを観るために、旧作手村(現新城市)や、設楽町へ遠征してましたが、
   県内では最も数多くいた旧作手村も、5年ほど前から、その姿を観ることがほとんど出来なくなりました。
   村の関係者のお話では、農薬の空中散布が影響しているとのことです。

   ノシメトンボは、稲刈り前の田んぼで連結打空産卵しますから、ナツアカネと共に絵になります。
   どちらもいいのですが、ノシメトンボの漆を乗り重ねたような渋さは、何とも言えない味わいがあり、
   私にとって、年に一度は見たいシーンなのです。
   ただ、そんな思い入れのあるトンボにも関わらず、
   天候不順や、やりくりが付かず、10月半ばになってしまい、稲刈り前の田んぼもほとんどありません。

   諦めかけたとき、以前山の中の水辺で、イネ科植物の上で産卵するノシメトンボを見てたことを思い出し、
   今日、行って来ました。

   今回も、地図とコンパスと、剪定ばさみを持ってのトンボ見です。



  その ① ため池  10:05~

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↑ 東の神社から道のない尾根を歩いて辿り着いた池です。
アオイトトンボとネキトンボ、マユタテアカネが数頭確認しただけでしたが、
チョウトンボや、もしかしたらベニイトトンボも期待できそうな池でした。




   その ② もう一つの水辺  11:25~

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↑ 水深はありませんが、イネ科やカヤツリグサ科の植物が繁茂した水辺です。

   岸辺で休むノシメトンボの♂が3頭いただけで、産卵ペアはいなかったので、
   お茶を飲みながら暫く待ち、2ペアの連結産卵と、1頭の単独産卵を観ることが出来ました。
   暑かったですが、待って良かったです。
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↑ 12:30頃になって観ることの出来たノシメトンボの産卵です。
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↑ 岸辺で休むノシメトンボの♂たちです。


他には以下のようなトンボがいました。

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↑ コノシメトンボ ♂
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↑ ネキトンボ ♂
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↑ ヒメアカネ ♂
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↑ アオイトトンボの連結産卵







  

   

   
   

# by tombo-crazy | 2016-10-17 21:45 | トンボ見て歩記 | Comments(1)

赤とんぼ調査 (旭地区)

   2016年10月15日(土)晴れ 気温 20℃(12:30)

   今朝は早起きして旭地区の赤とんぼ調査をして来ました。
   旭地区は平成の合併で豊田市に編入された旧東加茂郡旭町で、愛知県の北東部にあります。
   その位置は下図の通りで、矢作川上流域の東側にあり、農林業を中心とした中山間地です。
    
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(国土地理院地図より)

  
   朝早かったことと、このところの気温の低下で、山間にある田んぼのほとんどは日陰で、
   日が差している田んぼからは、湯気が出ていました。
   そんな風ですから、9時半頃までは、飛んでいるトンボの姿はありませんでした。


  調査地 ① 押井町 公民館前  標高360m 8:15~

   最初に訪ねた所は、家からは車で1時間15分ほどの押井町の中心部にある公民館&消防団詰所前の田んぼです。
   なお、地籍上は町となっていますが、かつての大字名が、平成の大合併で町と名前だけが変わっただけですから、
   古くからの町とは異なり、街並みなどはなく、山懐に民家が点在している趣です。
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↑ 公民館前はバス停になっていました。
但し、バスは水曜と金曜日の午前に計4本だけで、全国各地の中山間地が抱える問題が垣間見えます。
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↑ 日が差し始めたバス停前の田んぼです。
そして、左手前の丸い石の上に、今日始めてのアキアカネが休んでいました。
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↑ 石の上で気温と体温が上がるのを待つアキアカネです。



  調査地 ② 押井町 二井寺 東谷間 標高455m 8:30~

   次に訪ねた所は、30代のKさんが、人に安全で、赤とんぼも棲めるようにと
   有機農法でコメづくりをしている田んぼで、今年の春、アキアカネなどの羽化が多数確認されています。
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↑ 日が差し始めた田んぼです。 稲刈り後も、産卵に合わせた水管理がされていました。
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↑ 棚田の上には水辺が造られています。
(田んぼの灌漑用ではなく生きものたちのためとのこと。)
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↑ アキアカネです。
朝、立ち寄ったときは姿が観れませんでしたが、午後2時過ぎに再度訪ねたときは、10数個体いました。

 

 調査地 ③ 押井町 二井寺 西 標高440m 9:20~

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↑ アキアカネです。
日陰で気温が上がってないためか、産卵は確認出来ませんでした。




 調査地 ④ 押井町 神之辻 標高350m 9:35~

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↑ 山の上にある押井神明神社の鳥居です。
不思議なことに神社との間は、県道や田んぼになっていて、鳥居の下に神社へ続く道はありません。
昔は道が神社へ向かってあったのかも知れませんが、なぜか神聖な雰囲気がありました。
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↑ 水はけが悪く農家の方が困っているとの田んぼですが、
赤とんぼたちにはパラダイス状態で、
今回の調査で最も多くのアキアカネの産卵が確認出来ました。
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↑ アキアカネの連結産卵です。 
50ペアを超えるような産卵を確認出来ました。
Sさんから耕作者の方へ、すごい数の赤とんぼが産卵していますと、携帯でお知らせしておきました。




 調査地 ⑤ 下切町小渡小学校周辺 標高170m 10:40~

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↑ 二番穂が30cmほどに伸びていた小学校の北側の農業法人の田んぼです。 
近くに数頭のアキアカネはいたのですが、水管理がアキアカネの生活史と合ってないようで、
今年も田んぼは乾燥していて、アキアカネの産卵は確認できませんでした。
羽化についても2年連続確認出来ていません。
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↑ 例年アキアカネの羽化や産卵が確認されている田んぼです。上の田んぼとは100mほどの位置です。
左手は矢作川の堤防。正面は小渡小学校です。
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↑ アキアカネの連結産卵です。 
昨年よりはジュクジュク下部分が少なかったせいか、アキアカネの産卵ペアは少なかったですが、
それでも、20ペアほどいました。
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↑ 1頭だけいたミヤマアカネ。




  調査地 ⑥ 余平町 合鴨田周辺 標高355m 11:22~

   田んぼの草取りをアイガモの子どもにさせている農業法人の田んぼがあると言うので行ってみました。
   残念なことに「合鴨水田」の看板のある田んぼも、
   川を挟んだ対岸の「赤とんぼ米」のブランドで特別栽培している田んぼも、
   水管理がアキアカネなどの生活史と合ってなく、稲刈り後の田んぼが乾燥しジュクジュク状態でないため
   アキアカネの産卵は確認出来ませんでした。
   これらの田んぼは、羽化も確認出来ていません。
   どうもウスバキトンボをアキアカネと誤認している可能性があります。
↑ 乾燥した田んぼ。

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↑ 近くで数頭確認されたアキアカネ。
水管理などをアキアカネの生活史に少しでも合わせることで、アキアカネ復活の可能性はあると思います。
なお、カモたちはヤゴや羽化中や羽化間もないトンボを食べますから、赤とんぼを増やすには適していません。




  調査地 ⑦ 太田町蟹田 福蔵時周辺 標高410m 11:35~

   無住になったお寺をシェアハウスとして使っている若い方たちが、無農薬、合鴨活用によりコメづくりをしている田んぼです。
   産卵は確認出来ませんでしたが、近くに少数ですが、アキアカネやヒメアカネがいました。  
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↑ 奥に見えるのが曹洞宗福蔵寺です。
水側溝が改修されていて、コンクリート三面張りになっていたのが、生態系を考えたとき残念なことでした。

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↑ アキアカネです。
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↑ ヒメアカネです。


  調査地 ⑧ 太田町宮前  標高440m 12:00~

   苗作りも自前で、有機農法でコメづくりをされている方の田んぼです。   
   水はけが悪く、コメづくりで苦労されてられるとのことでしたが、
   周囲の環境と相まって、数種類の赤とんぼが確認出来ました。

   押井の神之辻の田んぼと共に、旭地区のアキアカネを増やす上で、核となる田んぼと言えます。
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↑ 湧水のため、稲刈り後も水が残る田んぼ。
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↑ アキアカネです。
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↑ アキアカネの連結産卵です。

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↑ ネキトンボです。
沼田で、所々水深があるため、田んぼを産卵場所として利用しているようです。

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↑ ナツアカネです。
稲刈り前に来ていれば、連結産卵が観れたと思います。
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↑ マユタテアカネです。



  調査地 ⑨ 伊熊町上伊熊 伊熊神社東一の谷 標高410m 12:22~

   地域の方々が、この春、休耕田を水辺として再生を始めた所で、
   今後、いろんなトンボが来てくれる可能性がありますので、私もその推移を観て行く予定です。


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↑ 再生された水辺ですが、植物が繁茂し、開放水面がほとんど消えていました。
地中にあった埋蔵種が、一斉に発芽したようです。
来春までに、開放水面を確保する予定とのことでした。
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↑ 今年の6月24日に訪ねたときの同じ水辺です。
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↑ アキアカネの♂(上)と♀(下)です。
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↑ ネキトンボです。
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↑ マユタテアカネです。
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↑ ギンヤンマらしい羽化殻もありました。

写真には撮れませんでしたが、上記以外にもシオカラトンボ、アジアイトトンボ、アオイトトンボなどがいました。
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↑ 旭地区を案内してくれたSさん(後)と、
Sさんの恩師であり、この水辺を地域の方と再生中のG先生です。




  調査地 ⑩ 伊熊町上伊熊 伊熊神社東二の谷 標高430m 13:40~

   今年の春多数のアキアカネの羽化が確認された田んぼです。
   近くには立派なシダレザクラがありました。
   来春は桜のシーズンにも来たいと思います。
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↑ アキアカネの♀(上)と、♂(下)です。
写真は撮れませんでしたが、1ペアの産卵を確認しました。



   まとめ

    今回の調査は、私自身が、これまでの調査で観ていた田んぼのほかに、
    旭地区で農業を営むSさんが、あそこだったらいるかも知れないとの田んぼを案内して頂いたとは言え、    
    私が予測したより、アキアカネが生息していました。

    今後、旭地区全体にアキアカネなどの赤とんぼを増やすためには、
       ① 赤とんぼの生活史に少しでも合ったコメづくりをする。(品種、水管理など)
       ② 毎年コメづくりをする田んぼの確保。
       ③ 既にトンボへのダメージが判っている育苗期の箱処理剤(注)などを使用しない。
       ④ 耕作を止めた田んぼを。放置でなく、水辺として再生し維持する。
    などが、その鍵になるように思います。

    また、苦労しながら赤とんぼのいるコメづくりをされている方々が、うれしさが実感できるように、
       ⑤ 裏付けのある「赤とんぼ米」の認証のしくみと、付加価値にあった価格設定と販路の確保。
       ⑥ 地域全体に浸透させるためには、小中学校と連携した「赤とんぼ観察会」などの仕掛けもあればと思います。

    なお、旭地区は、過疎化、高齢化が進行中なので、②③については、街部の支援が必要に思います。

   (注)
       箱処理剤のことについては、垣を参照ください。


       「半数以上の府県で1000分の1に減少!? 全国で激減するアキアカネ」(石川県立大学教授 上田哲行)
         http://nacsj.net/magazine/post_936.html

       「赤とんぼはなぜ減ったのか?生態リスクと地域の取り組み」()
         http://gcoe.eis.ynu.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2009/10/120216COE.pdf



    最後になりましたが、今回の調査に、車両を提供頂いた上、旭地区内を私が観たい田んぼも含め、
    案内頂いたSさんへ、改めてお礼申し上げます。







  


   

# by tombo-crazy | 2016-10-17 21:15 | トンボの棲む環境 | Comments(3)