マダラナニワトンボ (トンボ科アカネ属)

2008年10月8日
昨年、偶然発見したマダラナニワトンボを観るため、SSさんを案内して、某ため池を再訪しました。
あいにく写真を撮ることが出来ませんでしたが、偵察飛翔でしょうか、三度ほど確認出来ました。
例年より池の水位が15cmほど上り、湿地部分が小さくなっていたせいか、産卵行動は観ることが出来ませんでした。
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↑ マダラナニワトンボが産卵に来る池ぎわの湿地です。

ただ、気がかりなことがあります。
今年になってイノシシが出没するようになり、所々、踏み荒らされているのです。勿論、人間が一番の脅威です。
行政へは、法的網掛けを要請していますが、土地が業者の手中にあるようで、何の動きもありません。
財政的には日本でも有数の市だけに、何とかしていただきたいと思いますが見通しは立っていません。
なぜここを?と思える 「Y湿地」だけのラムサール登録を目指すのではなく、
このような素晴らしい湿地が当地方には点在しますので、市町村や県の枠を超えて、関係者が一体となり、
周囲の山をも含めて、点在する湧水湿地などを、群として、周囲の山ごと残すようお願いしたいものです。
まさかとは思いますが、ラムサールと言うブランドが目的では情けないことです。
一般受けするシラタマホシクサも、トウカイモウセンゴケも、シデコブシもあり、ハッチョウトンボもいます。
「ため池」と、それに隣接する「湿地」、そしてそれらを取り巻く「丘陵地」全体を、後世に残していただきたいと願います。
人工林や、ゴルフ場、田んぼなどを、「みどり」として、ひとくくりにし、その面積を言うのではなく、
「みどり」の中身こそが重要に思います。

ジレンマ
かといって、この地を公表して保全運動は出来ません。
法的網掛け以前の問題として、心無い人たちによる荒らしが予測されるからです。
歩いてしか現地入り出来なかった「ため池」でしたが、より近くまでと、農道へ入る車も考えられます。
それでは、地元の方々にも、ご迷惑が掛かります。
何といっても、湿地そのものが脆弱なだけに心配です。
なお、マダラナニワトンボを発見した後、この池の名前に関しては、誤って伝えられていることが判りました。
付近の山間には似たような池が点在していたせいか、あるいは保護のための戦術だったのか、
生息地が別の名前で認知されていたことでした。 (地籍名が池の名前として伝えられていたようです。)
これは一部の心無いマニアによる荒らしからマダラナニワトンボを守ることに役立っていたようです。
私の場合、生きものへの関心は高いのですが、世間で言う〇〇屋さんと言われるほど、特定の生きものだけを観てなく、
彼らも含めた生息空間の一部である「ため池」のほうに関心が高く、各地の「ため池」を調べていたので、
この地域の「ため池」の名前を掴んでいました。
ちなみにマダラナニワトンボの生息する池は〇〇で、生息していたとされていた池は▽▽池でした。
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↑  写真のトンボは、、2007年10月12日に撮ったもので、風景は2008年10月8日のものです。


補足
この池は15年ほど前から別件で入っていましたが、マダラナニワトンボの生息に気づきませんでした。
それは、マダラナニワトンボがいるのでは…との見方をしていなかったのと、
訪ねていた時期や時間帯が、マダラナニワトンボの出現帯とずれていたためです。
マダラナニワトンボと言う名前も、この辺りにはいないものとの先入観となっていました。
やはり、専門以外でも勉強はしておくべきと、つくづく思うのでした。
この地以外にも、似た環境の「湿地が隣接する気になるため池」が市内で3ヶ所あり、いろんな種のトンボがいます。
直線距離では、この地から 7~11Kmです。
マダラナニワトンボの飛翔力がどれだけかは知りませんが、
某山麓との共通項はありますので、これらについても時間をつくり調べて行きたいと考えています。
なお、本件については、日本蜻蛉学会員の高崎保郎さんへご報告し、かつては生息地であったこと教えていただき、
現在も生息していたとの情報を県のRDBの見直しに反映いただきました。
高崎さんとは、「ため池の自然研究会」メンバーとして、ご指導いただいております。



# by tombo-crazy | 2008-10-08 21:17 | トンボ科アカネ属 | Comments(0)

ヒメアカネ (トンボ科アカネ属)

2008年10月7日

ヒメアカネは湿地性のトンボですので、かつて田んぼだった所を水辺として維持している「カエル谷」では、たくさん生息していて、谷を代表する赤とんぼと言えます。
アカネ属赤とんぼの中では小さいほうで、♂は成熟すると顔が白くなり、腹部は澄んだ赤い色になります。
(追記)  
例年、アブラゼミが鳴き出す頃に現れます。2009年は、7月6日が初認でした。
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 ↑  ヒメアカネの交尾です。 (2008年10月12日 カエル谷)
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↑  ヒメアカネの交尾です。腹部の表と裏の赤と黒のコントラストがきれいです。 (2008年9月13日 カエル谷)
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↑ 写真は、老成したメスです。無事子孫を残せたでしょうか。 (2008年10月7日 カエル谷)
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 ↑  若い♀です。 肩の部分にアルファベットの i の文字が鮮明です。(2008年7月10日 カエル谷)
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↑ 若い♂です。   (2007年7月22日 カエル谷)

ヒメアカネは羽化すると水辺を離れて、林の縁などで単独で過ごしています。
カエル谷の場合、谷の入口付近の風の当たらない半日影のようなところで休んでいることが多いです。
産卵時期以外、水辺を離れて暮らすのは、天敵から身を守るためと、夏の暑さを避けているように思われます。
なぜなら、水辺には大きなトンボや、蛙、クモ、野鳥などの天敵が多く、蒸し暑いのです。
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↑ 成熟し、腹部が赤く、顔が白くなった♂です。 (2009年9月18日 カエル谷)

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↑  老成した♂です。 (2008年12月12日 カエル谷)

ヒメアカネは寒さに強いようで、カエル谷では、例年12月の10日頃まで見かけます。
この頃には、ほとんどのトンボは姿を消し、僅かに見かけるのはオツネントンボなどの越冬トンボとオオアオイトトンボ位です。
時々、冷たい風が吹く中で、風を避け、僅かな日差しのところで、じっとお迎えが来るのを待っていて、ものの哀れを感じますが、
トンボたちは人間のような煩悩はなく、1日1日を大事に生きているのかも知れません。
                                                           
# by tombo-crazy | 2008-10-08 20:25 | トンボ科アカネ属 | Comments(1)

マユタテアカネ

2008年10月8日

赤とんぼの仲間には似たもの同士が多く、「ん!もしかしたら…」と期待してしまうことがたびたびでが、
現実は、「な~んだ〇〇だったか…」となるのがほとんどです。
特にヒメアカネ、リスアカネ、マイコアカネ、マユタテアカネは、どれもが似た雰 囲気ですから悩ましいです。
それでもマユタテアカネは、額に、お公家さんの眉のような斑紋がありますから、同定がしやすい種と言えます。
でも、顔だけ見ての判断は時として誤りますから、赤とんぼの場合は、胸の模様や、腹端部の形などの確認が必要になり、奥が深いと言えます。
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 ↑ 交尾です。  (2007年10月15日 撮影)
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↑ 成熟♂です。  (2008年10月8日 撮影)
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↑ 成熟♂の顔アップです。  (2008年10月12日 撮影)
眉があればマユタテアカネかと言うと、そうでないのがいるので、またまた悩みます。眉の大きさなどもいろいろです。                     
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↑ ノシメ型翅の成熟♀です。  (2005年10月2日 撮影)
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↑ 成熟♂です。 (2009年9月18日 カエル谷)
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 ↑ 成熟♂です。   (2009年9月18日 天神池畔)




# by tombo-crazy | 2008-10-08 18:32 | トンボ科アカネ属 | Comments(0)

ノシメトンボ (トンボ科アカネ属)

2011年10月7日
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        ↑ 久々にノシメトンボの産卵を見ました。               
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↑ 産卵していたところは写真のため池の右手奥の下が湿った草地でした。(2011.10.7 瑞浪市)



2008年10月7日

東北の田舎で育った私にとって、子どもの頃、オニヤンマ、シオカラトンボ、神様とんぼ(注)と共にノシメトンボは好きなトンボでした。

(注) 翅の黒いアオハダトンボと、ハグロトンボのどちらもそう呼んでいました。
好きな理由は単純です。 身近に見れて、かっこよかったのです。
ノシメトンボは、赤トンボの中で最も大きかったですし、翅の両端には黒い斑があり、そして独特の色合いです。
当時は、盆や正月、祭りのときなどは、漆塗りのお盆や、器を使っていましたので、成熟したノシメトンボの腹の色が、それらの使い込んだ漆器に似ていて、
ご馳走を連想させ、子ども心に親しみを感じたのでした。
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↑ 老成した♂です。  (2006年10月12日 金蔵連)
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↑ 交尾です。  (2006年9月6日 金蔵連)
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 ↑ ほぼ成熟した♂です。 (2008年10月7日 金蔵連)
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↑ 若い♂です。 (2006年7月22日 長ノ山)
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↑ 成熟しかけの♀です。 (2007年7月16日 長ノ山)

そんな思い出に残るノシメトンボも、地域によっては増えているとの情報もありますが、
コメ作りをする田んぼそのものの減少や、米作りの変化などが影響してか、当地では減っています。




# by tombo-crazy | 2008-10-07 22:05 | トンボ科アカネ属 | Comments(0)

アキアカネ (トンボ科アカネ属)

2008年10月2日

ここ15年ほどで、平地の田んぼから、群れ飛ぶアキアカネを見ることがほとんど出来なくなりましたが、
中山間地の田んぼでは、今でも田んぼによっては見ることが出来ます。
それらアキアカネが確認出来ている田んぼは、
①田んぼ全体、または、その一部が、一年中、ジュクジュクしていることが多い。(湿田)
②毎年コメ作りをしている。
③強い農薬を使っていない。
などの共通項があり、アキアカネの生息を可能にしているように思います。
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写真のトンボは、上段がアキアカネ成熟♂、中段が成熟♀です。 (2008年10月2日 金蔵連)
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↑ 連結打泥産卵中のアキアカネ   (2008年1002日 金蔵連) 
   
ただ、そのような自然豊かな中山間地の田んぼにも、不安要素があります。
それは、過疎化や高齢化などで耕作を止めるところが増えていることです。
唱歌「赤とんぼ」に歌われ、秋の風物詩として馴染み深かったアキアカネも、
このまま何の手だてもしなければ、全国各地で姿を消して行くと思われます。
赤とんぼたちが消えて行く要因として、私がフィールドにしている平地の田んぼを観ていると、
コメ作りを毎年続ける所が少なくなっていることが、
哺場整備による乾田化や、農薬使用、農事暦の変化などより影響が大きいようです。
作らない一番の理由は、国の減反政策です。
実際、毎年コメづくりを続けている所では、
今でも、ホタルや、赤とんぼ、ギンヤンマ、シオカラトンボなどが確認出来ることが多いように思います。
生産調整とは言え、各田んぼの一部で毎年コメをつくり続けるか、水を入れたジュクジュクしたエリアを確保出来たらと思います。
町に住む人たちが、すぐにでも出来ることは、おコメを食べることでしょうか。
それと、田んぼに、ヒマワリや、菜の花を植えて楽しむことは止めたいものです。
田んぼはイネを栽培してこその田んぼですし、そのことによって、縄文時代後期から田んぼと共に生き続けて来たたくさんの生きものたちが救われるように思うのですが…。

ブロックローテーションと言われる、地域をブロックに分け、広範囲に亘ってコメ以外の大豆や小麦などの作物を作った所は
トンボだけでなく、カエルなども消えていて脅威になっています。



# by tombo-crazy | 2008-10-03 21:28 | トンボ科アカネ属 | Comments(0)