シオヤトンボ (トンボ科)

        2011年5月20日(水) 

                     所用で岐阜県に行った帰り、以前、友人に連れて行ってもらった某地に立ち寄り、1時間ほどトンボを見て来ました。
                    見つけることが出来たトンボは、シオヤトンボ3、タベサナエ3、アサヒナカワトンボ2、そしてムカシヤンマ5と、時間的なこともあった
                    せいか少なめでしたが、最後にキショウブにとまったシオヤトンボを観ることが出来ました。
                    個人的には、清楚な野の花が好きですが、在来種であっても、大きく、きれいですから、一般の方々の好みを考えアップします。
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                     ↑ キショウブ(環境省の「要注意外来生物」)にとまったシオヤトンボ♂です。



            私たち『カエルの分校』が、トンボやカエルが安心して世代交代が出来るようにと維持管理している
           かつて田んぼだった山間の水辺(カエル谷など)では、成虫で年を越す3種類のトンボを除き、
           春一番に現れるトンボです。 (カエル谷では3月25日頃からシオヤトンボが現れます。)
           ですから、羽化したてのシオヤトンボの姿を見ると「今年もトンボの季節が来たなあ…」と感慨深くなります。
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            ↑ 羽化は、水深が浅い所の、水面から10センチほどの高さで行なわれます。 (2005.4.5 風の谷)
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            ↑ 未成熟の♂です。 (2007.3.28 カエル谷)
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            ↑ こちらは未成熟の♀です。 (2007.4.1 カエル谷)
           ♂も♀も、羽化間もない頃は、日の光を受け、翅がオレンジ色に輝いて見えます。
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            ↑ 成熟♂です。 (2008.5.18 蓬生川)
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            ↑ 交尾です。  (2008.5.16 カエル谷)
            どんな生きものも、より良い子孫を残すことが最も大切な行為のように思うのですが、ヒト(人間)の場合、
            知恵が付き、野生を失ったためなのか、行為そのものの快楽を知ってしまったせいなのか、
            子孫を残すことに、こだわらないヒトが増えているように思います。
            もっとも、地球上のほとんどの生きものが人間生活の影響を受けて減少していますから、ヒトも増えないよう
            ブレーキが掛かることは、神の思し召しかも知れません。
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            ↑ 夕陽を浴びて日向ぼっこをする♂たちです。 (2009.5.14) 
           この時期、ほとんどの♀は産卵を終え水辺から離れてしまっていますので、♂たちは♀が近くに来ない限り、
           縄張り争いをすることもなく、こうしてのんびり過ごしています。
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           ↑ 老成した♀です。 産卵を終え、お迎えが来るのを静かに待っているようです。 (2007.6.20 カエル谷)
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            ↑ 老成♀ (2009.6.28 新潟県戸倉山)
            今年、カエル谷でシオヤトンボの姿が消えて一週間ほど過ぎたとき、新潟県の戸倉山の山頂で、
            老成した♀が一頭、倒木で日向ぼっこをしていました。
            こうして見ると、シオヤトンボは、30℃を越すような暑さには弱いトンボのようで、
            涼しいところで余生を送っているようです。
by tombo-crazy | 2009-07-12 19:57 | トンボ科
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